資生堂のM&A事例と戦略について徹底解説

資生堂は、日本初の洋風調剤薬局として1872年に創業し、現在は「美しい生活文化の創造」を企業使命に掲げるグローバルビューティーカンパニーです。2021年からは、2030年にスキンビューティー領域における世界No.1の企業を目指す中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を推進しています。

この戦略では、事業ポートフォリオの再構築やデジタル変革などを通じて、収益性とキャッシュフロー重視の経営へと転換することを目標に掲げています。その一環として、資生堂は近年、海外を舞台に大型のM&Aを積極的に行っています。この記事では、資生堂のM&A事例と戦略について徹底解説します。

資生堂のM&A事例

資生堂の最初のM&Aは創業から130年超の後、2006年3月の生理用品事業の譲渡に始まります¹。その後、2007年には米国の化粧品メーカーであるベアエッセンシャルズ社を約12億ドルで買収し²、ミネラルファンデーション市場で高いシェアを持つブランド「ベアミネラル」を傘下に収めました。これは当時、資生堂が行った最大規模のM&Aでした。

2016年には、米国のプレステージ化粧品ブランド「ローラメルシエ」と「レ・メルヴェイユーズ ラデュレ」などを展開するフランスのグループ・シャンタル社を約26億ドルで買収し³、欧米市場でのプレステージブランドポートフォリオを強化しました。また、2017年には米国の高級フレグランスブランド「ドルチェ&ガッバーナ」の美容部門(化粧品・香水)に関するライセンス契約を締結し⁴、フレグランス市場での存在感を高めました。

2021年は、「WIN 2023」戦略の一環として、事業ポートフォリオ再構築が加速しました。6月には、久喜工場とベトナム工場におけるパーソナルケア製品(シャンプー・リンス・ボディソープなど)の生産事業をCVCキャピタルパートナーズ社が運営するファンドへ譲渡することを発表し、同月末には日本国内で展開するパーソナルケア製品(TSUBAKI・uno・SENKAなど)の事業も同じファンドへ譲渡することを発表しました。

資生堂のM&A戦略

スキンビューティー領域に経営資源を集中投下する

資生堂は、2021年から2030年に向けた中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を策定しました[^1^][2]。その中で、資生堂が強みを持ち、かつ市場としても発展が期待されるスキンビューティー領域に経営資源を集中投下し、ブランドの育成とポートフォリオの拡充、新たな事業の開発を進めることを目標に掲げています。スキンビューティー領域とは、スキンケアを中核に、サンケアやメンズ、メイクアップをはじめ、美容機器、さらにはサプリメントなどのインナービューティーなど、多面的な価値創出を目指す分野です。資生堂は、2030年までにこの領域における世界No.1の企業になることを目指しています。

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